「はしご外された」職失う研究者も 私大の支援打ち切り
波多野陽
計画の途中で、突然文部科学省が打ち切りを決めた私立大学研究ブランディング事業。助成は大学が若手研究者を雇用する資金にもなっていた。雇用契約の更新に悩む大学もある。
事業の採択校に雇用されている理系の男性研究者は憤る。「わずか数年で職を失えば、次の就職活動に持って行く成果すら得られない。生活の不安もある」
男性の給与は事業の助成でまかなわれている。事業の打ち切りを受けて、雇用継続は難しいとする大学と相談し、別の大学の職を探すことにした。
任期制の研究職を経て、今の大学が採択校になった直後のスタッフ募集に応じた。良い研究者がそろい、5年間の計画があった。「ここでじっくり経験を積み、次のステップにつなげよう」と思ったという。
事業打ち切りを告げられたのは、職場に慣れ、専門性を生かして大学に貢献しようと意気込んでいた矢先だった。
この大学の担当者は「つらい…