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 徳川幕府の3代将軍家光と息子の4代家綱が描いたとみられるニワトリの絵「鶏図」がそれぞれ見つかった。東京・府中市美術館の金子信久学芸員は「2人とも、気骨のある画風だった狩野派の御用絵師に手ほどきを受けたが、独特の創造性たっぷりの絵を描いた。あえての素朴な作風だったのでしょう」と話す。

 確認された2作品はいずれも和紙に墨で描かれ、掛け軸に仕立てられていた。

 家光の絵は縦26・9センチ、横42・7センチ。水戸徳川家の重臣を務めた家に伝わっていたもので、現在は個人が所有している。金子学芸員らが情報提供を得て調査。家光が描いたと記された箱に収められていた。

 シンプルな筆致で、胴体は太く大胆に描かれる。ぎょろりとした丸い目や、片足を上げちょこちょこと歩くようなしぐさは細い線で描かれ、愛らしい。

 一方、家綱の絵は縦21・1センチ、横26・1センチ。家光の乳母である春日局(かすがのつぼね)の子どもが創建した養源寺(東京都文京区)に保管されていた。江戸時代の絵画について記録した「古画備考」に、春日局の親族が家綱の鶏図を寺に寄付したと記されていた。

 家綱は幼少期に何度も闘鶏を見ていたとされ、多くのニワトリの絵を残している。鋭い目つきが特徴で、墨のにじみを使い丁寧に描かれている。家光と同じく足の描写は可愛らしい。

 2作品は府中市美術館で開催中の「へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」展で、16日から初めて公開される。(森本未紀)