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 新たに生まれ変わる広島市中区の平和記念資料館本館。25日のリニューアルオープンに先立ち、先月、ピースボランティアや被爆体験伝承者らへの説明会が広島国際会議場(同区)であった。参加した366人からは、新たな展示への期待と不安の声が上がった。

 説明会では資料館側が、本館の完成後をイメージした「ウォークスルー映像」を上映。続いて資料館の学芸員が、「8月6日の惨状」や「放射線による被害」などのコーナー別に展示品などについて説明した。

 犠牲者それぞれの人生を紹介する解説、遺品、写真や手記を並べた「魂の叫び」コーナーは、「一人ひとりの被爆者に向き合ってもらいたい」と意図を説明。様々な形で資料館にかかわる参加者たちに「みなさんに資料館の一員として考えていただき、来館者に伝えていただくことが大事」と訴えた。

 ピースボランティアを14年続けている池田秀行さん(60)=府中町=は「今までは原爆の被害に焦点を当てていた。しかし、広島の人々が戦後をどのように生きたかについては、わかりにくかった」と話す。新たな展示について、「戦後がしっかり描かれていて、今も放射能や戦争の被害が続いていることが実感できる」と評価した。

 爆心地から2・4キロの自宅で被爆し、英語で被爆証言を続ける小倉桂子さん(81)は「一人ひとりの人生に焦点を当てている点が素晴らしい。放射能の怖さを伝えるには、1人の被爆者の歴史を想像して、追体験できる展示が必要。新しい展示は、その点がしっかりしている」と語った。

 一方、被爆者で在日韓国人2世の李(イ)鐘根(ジョングン)さん(89)は「改装するのなら、今生きている我々の声をもっと聞いて、それを反映してほしかった」と話した。展示内容については「私が見てきた当時の光景から、だんだん変わってきているような気がする」という。「それでも、来館する人たちが、核兵器の被害は二度とあってはいけないということが感じられる場所になることを願う」(大滝哲彰)