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 養子縁組した2人の元男性受刑者(1人は死亡)が、別々の刑務所にいた当時、手紙のやり取りを禁止されたのは違法だとして、国に200万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が10日、東京高裁(垣内正裁判長)であった。2人は同性愛者で、一審は「手紙のやり取りを目的とした無効な縁組」という国の主張を認めて請求を棄却したが、高裁判決は「助け合って生活する意思があった」と判断。養子縁組は有効で、手紙のやり取りを認めなかったのは違法だとして、国に6万円の賠償を命じた。

 判決によると、2人は2014年に府中刑務所で出会い、1人が甲府刑務所に移送された後の15年、養子縁組をした。刑事収容施設法は親族との手紙のやり取りを認めているが、甲府刑務所長は許可しなかった。

 高裁判決は、親子関係以外を目的とした縁組もあると指摘。同性愛者の縁組も「相続などの法的効果や精神的に支え合おうとするもので否定すべきではない」と述べ、2人の場合も有効だと判断した。

 原告の1人は16年に病死した。判決後に会見したもう1人の50代の原告は「生きているうちにこの時を迎えたかった」と語った。法務省矯正局は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントした。(北沢拓也)