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 日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)が同社の資金を自らに還流させたとされる特別背任事件で、前会長の妻キャロルさんが11日午後、証人尋問に応じるため、東京地裁に入った。東京地検特捜部は、資金の一部がキャロルさんの会社に送金されたとみており、資金の流れや使途について尋問が行われるとみられる。

 この日の尋問は、取り調べを拒んだ参考人に対し、初公判前に限って証人尋問を請求できるとする刑事訴訟法の定めに基づく。任意の事情聴取とは異なり、虚偽の証言をした場合は偽証罪に問われる。ただし、自分や近親者が刑事訴追や有罪判決を受ける恐れがある場合は証言を拒絶できる。

 関係者によると、ゴーン前会長に流出したとされる資金の一部は、キャロルさんが代表を務める会社や、息子が起業した会社に送金されたとされる。

 特捜部はキャロルさんの事情聴取を検討したが、キャロルさんはゴーン前会長が再逮捕された翌日の5日に出国。特捜部は、出頭を拒んだと判断し、証人尋問を行うよう地裁に請求して認められていた。キャロルさんは「夫を助けようとフランスに来たが、その後日本に戻る」と述べ、尋問に応じる意向を示していた。10日に日本に戻ってきたとみられる。