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 佐藤天彦名人に豊島将之二冠が挑戦する第77期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第1局が10、11日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で指され、千日手による16年ぶりの指し直しの末、豊島挑戦者が先勝した。作家の高橋弘希さんが、10日の対局を観戦した。

 朝日新聞に将棋エッセーを記すのは、これにて三度目である。しかもここ数カ月の間に三度、というハイペースであり、おまえはいったいどこへ向かっているんだ、と読者諸君は思うだろうが、当の私も、自身がどこへ向かっているのか、皆目見当がつかないのである。ただしこれだけは言える。私は住所不定で、限りなく無職に近いノヴェリストであるが、本気で真のコスモポリタンでありたいと考えている。

 して、名人戦である。“名人”の歴史は古く、慶長十七年、徳川家康が大橋宗桂に俸禄を与えたことが始まりだという。その棋界で最も伝統ある“名人”の称号を懸けた七番勝負を、間近で観戦できるとは、感極まるものがある。私は平素“平成最後の廃人作家”だの“文学界に爆誕した珍獣”だの、ろくでもない扱いしかされないが、このときばかりは作家になってよかったと心底思った。

 第七十七期名人戦第一局は、椿…

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