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 衆院沖縄3区内の広大な山林にある米軍北部訓練場(約7800ヘクタール)は約2年前、半分ほどが返還された。だが、廃棄物が次々と見つかり、周辺には騒音が激化した地域もある。国は「負担軽減」をアピールするが、その実感は住民には薄い。

 沖縄本島北端に位置する国頭村(くにがみそん)。東部にある安田(あだ)の集落は日中でも出歩く人はまばらだ。「米軍機は今でも平気で上空を飛び回る。基地が返還された実感はない」。自治会の前区長、伊計(いけい)忠さん(60)は語る。

 北部訓練場は2016年12月、米側から半分にあたる4千ヘクタールが返還された。一帯は深い森で、大半は国有地。国が原状回復した上、17年12月に土地を地権者に引き渡した。

 安倍政権は「本土復帰後最大の返還」とアピールし続ける。跡地の大半を国立公園に編入し、20年の世界自然遺産登録をめざす。地元自治体は、観光振興にも期待する。

 ただ「恩恵」の実感は乏しい。

選挙カーほとんど来ず

 国は引き渡しまでの1年間で汚染物質の調査や除去を終えたとするが、跡地からは薬莢(やっきょう)やごみが次々と出ている。自然保護活動に携わる市民が安田地区の返還地で昨年1月にドラム缶を見つけ、周辺土壌を専門家が鑑定したところ、毒性の強いポリ塩化ビフェニール(PCB)を検出。県は今年3月、沖縄防衛局に調査を求めたが、防衛局は「事実関係を承知していない」との立場だ。

 約160人の集落は少子高齢化が進み、地元の中学校は10キロ以上離れた西海岸の学校に統合された。住民の危機感は強いが、衆院補選の選挙カーが訪れることは、めったにない。

 伊計さんは不信感を抱く。「米軍のやることだから、返還地から何が出てきても不思議はない。集落が成り立つかどうかの瀬戸際なのに、本当に観光振興につながるのだろうか」

 その安田から南へ10キロの東…

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