[PR]

 米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)の移転候補地となっている馬毛(まげ)島(鹿児島県)をめぐり、島の大半を所有するタストン・エアポート社(東京都)の社長だった立石薫氏が解任され、父で前任者の勲氏が社長に就いたことが12日、分かった。政府は今年1月、島の土地を160億円で購入することで同社と合意したが、一時は約400億円を提案していた勲氏の再就任で、契約交渉が難航する可能性がある。

 法人登記によると、社長交代は2月19日付。解任された薫氏が「勲氏は社長ではない」と定める仮処分を申し立てていたが、東京地裁が今月8日に却下した。

 政府は2011年に馬毛島をFCLPの移転候補地に決めたが、土地の評価額で同社と折り合わなかった。交渉は難航していたが、昨年10月、同社への融資を引き受けた債権者の求めで、社長が勲氏から薫氏に代わって以降、交渉が一気に進み、合意に至った。同社幹部によると、薫氏の交渉姿勢について社内に不満があり、臨時株主総会で解任決議が可決されたという。

 同社幹部は朝日新聞の取材に「薫氏から合意内容を知らされていない。確認なしに土地売買契約の話は始められない」と語っており、政府関係者も「すぐに契約がまとまる状況ではなくなった」とみている。馬毛島の地元・西之表市には移転に反対する声がある。(古城博隆)