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 ベルリンの語学学校「カール・デュイスベルク」。「自分の専門領域について議論できる」レベルの資格を目指すクラスで、4人のフィリピン人がドイツ語を学んでいた。

 4人はフィリピンで看護師の資格を持つ。ドイツで専門職「高齢者介護士」として働こうと、二国間協定「トリプル・ウィン」でドイツへ来た。午前は語学を学び、午後は介護施設や病院で研修を受けている。

 昨年12月にドイツに来たグレン・バリトルさん(28)は当初、経済連携協定(EPA)の枠組みで日本に行くことを考えていた。だが募集の期間が合わず、ドイツの募集に応募したところ採用されたという。

 介護現場でドイツ語が分からないこともあるが、「働きながら覚えられるし、学校にも通わせてもらっている」。勉強の費用は雇用主負担だという。

 「ドイツでの生活は気に入っているし、収入もよくてフィリピンの家族にお金を送れる。他の国でさらに大きなチャンスがない限り、ここに一生いたい」

 ベルリンの高齢者・障害者向け集合住宅では、ボスニアとセルビア出身の3人が、入居者の体温を測ったり、呼吸機器のチェックをしたりしていた。

 3人は昨年5月にトリプル・ウィンでドイツへ。ボスニアとセルビアでは、看護師の資格を持っていたが職が見つからず、募集に応じたという。セルビアから来たボジダール・ボザノビッチさん(25)は、「母国で看護関係の仕事をしても給料はドイツの6分の1程度。金銭的な魅力が大きかった」と話す。

 母国で語学学校や独学でドイツ語を勉強していた3人。ボスニアから来たヨバン・パンテリッチさん(23)は「ドイツ語は難しいけど、母国では職がないし、頑張って勉強するだけ」。

 3人はヘルパーとして施設で働きながら、高齢者介護士を目指す。ボスニアから来たネヴェヌ・ミルコビッチさん(24)は「介護の仕事で人を助けたい。頑張って資格を取り、ドイツで働き続けたい」と意気込む。

 3人が働く「A&S隣人ケア」の担当者は、「彼らは優秀で勤勉。会社に何人外国人がいるかなんて数えたこともなく、国籍は重要ではない。大事なのはしっかり働いてくれるかどうかだ」と話す。

日本に先駆けて介護保険制度を導入したドイツ。介護分野での外国人受け入れの現状を報告します。

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