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 イラン各地で拡大する洪水被害を受けて、日本政府は13日、避難者用のテントなどの緊急援助物資をイラン政府へ提供した。外国からの支援も次々届いているが、被災地では橋や道路が寸断されており、支援や復旧のための活動は難航している。

 テヘランで物資の引き渡し式典があり、イラン外務省のファラーザンデ・アジア太平洋局長が「今回の洪水は経験したことのない大規模なものだ。日本の協力に感謝する」とあいさつ。斉藤貢・駐イラン大使は「東日本大震災の時の支援のお返しが出来ることをうれしく思う。両国の友情の証しだ」と語った。

 国際協力機構(JICA)などによると、テント190張りや就寝時用の敷きパッド1150枚など、計6トン分の支援物資がイラン赤新月社(赤十字に相当)に提供された。被害が大きい西部ロレスタン州や南部フゼスタン州に、数日以内にも届くという。

 イランでは、3月下旬からの記録的な豪雨の影響で、南部を中心に洪水や鉄砲水の被害が拡大している。現地報道によると、4月14日までに76人が死亡し、6万人以上が仮設住宅での生活を余儀なくされている。支援物資は、ドイツやトルコ、オマーンなど少なくとも8カ国からも届いたという。

 一方で、昨年5月に核合意を離脱した米国が対イラン制裁を再開したことで、支援や救助に影響が出ているとイラン側は訴える。

 イラン赤新月社の輸送担当サイード・マターニーさん(43)は「外国からのまとまった額の支援金を受けられていない」と語る。第三国企業も対象となる米制裁の影響などで送金が難しいためだ。人道支援は制裁の対象外だが、企業が慎重になっており、ヘリの修理部品など、外国からの調達も出来ない状態が続いているという。(テヘラン=杉崎慎弥