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 東京都東村山市長選には14日、4選を目指す現職と元都議の新顔の2人が立候補を届け出て、一騎打ちの構図となった。対立候補が告示2週間前に立候補を取りやめたことを受け、無投票を懸念した現職が「異例」の立候補呼びかけをしていた。

 「令和の幕開けとなる市長選が無投票でいいのか、と思っていた。よくぞ(立候補を)決意してくれた」

 現職の渡部尚氏(57)=自民、公明推薦=は第一声で、選挙戦になったことを歓迎した。そして、「新しい時代にどのような街をつくっていくのかが問われる選挙だ」と続けた。

 渡部氏が立候補を表明したのは昨年12月。今年3月には大学教授の女性も名乗りを上げ、一騎打ちとみられていた。ところが今月1日、大学教授が体調不良を理由に立候補を断念し、無投票が危ぶまれた。

 すると、渡部氏は5日に緊急会見を開き、「無投票になれば政策論争が行われず、市政への関心低下を招く」として立候補を呼びかけた。陣営では、政策ビラ約1万6千枚、はがき約7500枚を用意したが、無投票になるとすべては配りきれない。「政策を伝えることすらできない」(渡部氏)というのだ。

 異例ともいえる対立候補の立候補呼びかけについて、渡部氏の陣営幹部は「自信の表れと受け取られる」としつつ、「市長選が行われれば、自身を推薦する自公の市議候補者を堂々と応援できる」と今後の市政運営を見据えた動きだと解説する。

 事態が動いたのは告示3日前の11日。市議と都議を計30年務めた新顔の小松恭子氏(78)=共産推薦=が立候補を表明した。「挑発に乗ったわけではないが、長く政治に携わってきた身として、無投票は受け入れられない」と話した。

 民間委託を進める現市政に批判的な立場で、14日の第一声では「市長選がなければ市政は変えられない。東村山市政を何とかして変えていきたい」と訴えた。

 有権者の男性(70)は「無投票だと、有権者に選択肢も提示されず、活性化にもつながらない。選挙戦になり良かった」と話した。(滝口信之)