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 医師や研究者らが、1年に「1日限り」のオーケストラを編成し、パシフィコ横浜(横浜市西区)の学術集会で14日、演奏を披露した。メンバーは、個々で楽器の演奏を楽しんでいる学術集会に参加した臨床医や放射線技師、研究者たち。前夜に集合してリハーサルをし、演奏後は即解散という、本番12分だけのオーケストラだ。

 日本医学放射線学会(JRS)、日本放射線技術学会(JSRT)、日本医学物理学会(JSMP)の3学会に、日本画像医療システム工業会(JIRA)を加えた学術団体「日本ラジオロジー協会(JRC)」の年1度の学術集会と医療機器の展示会が11~14日に開かれ、延べ2万人を超える放射線科の医師や技師、研究者、医療機器技術者らが来場した。

 この来場者から募った71人のメンバーで、オーケストラ「JRC 2019 Festival Orchestra」を編成。学術集会の閉会式の冒頭、複十字病院(東京都清瀬市)の岡輝明・病理診断部長が指揮を執り、ロシアの作曲家ボロディンの歌劇「イーゴリ公」より「ダッタン人の踊り」を12分間、演奏した。練習は前日と本番直前の計3時間程度。本番は息の合った演奏で、優美さと迫力を兼ね備えた名曲を奏でた。会場からは、盛んな拍手が送られた。

 オーケストラが誕生したのは2014年。「音楽好きが集まって演奏できないか」という話が持ち上がり、放射線科の医師たちの小規模なオーケストラを母体に、学術集会参加者がメンバーとして加わり、閉会式での演奏が実現した。当初は40人余だったが、年々増えているという。今では、最終日の演奏を楽しみにしている参加者も少なくないという。

 オーケストラの呼びかけ人で代表の新津守・埼玉医大教授は「メンバー同士の交遊が深まるうえに、参加者に喜んでもらえている。私たちの演奏が学会の活気につながってくれれば」と話している。(久保田正)