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 地方独立行政法人・市立大津市民病院が6月1日から分娩(ぶんべん、お産)の取り扱いを休止する。産婦人科医が相次いで退職する見込みで、安全なお産のために必要な態勢がとれないため。病院側は「ご迷惑をおかけして申し訳ない。再開へ努力する」としている。

 市民病院によると、産婦人科にはこれまで正規2人、嘱託4人の計6人の医師が勤務していた。しかし、3月末で嘱託1人が退職。正規と嘱託の各1人が5月末で退職することになった、という。

 市民病院は京都大や京都府立医大などの医局に働きかけたが、後任の産婦人科医は見つからなかった。このため、3人体制になる6月以降、分娩の取り扱いを休止することにしたという。6月以降、66人が市民病院で出産予定だったが、別の医療機関を順次紹介するという。婦人科の診療は今後も続ける。

 市民病院の分娩取り扱い数は昨年度218例。県によると、2017年の大津、高島両市の分娩数は3241例で、分娩の受け入れ可能数は4230だった。このため、県は「大津市民病院が休止になっても、他の医療機関でカバーできる」とみている。

 越直美市長は17日の定例会見で、「国全体での産科医不足が背景にある。市内にはより分娩数の多い病院があり、市全体としては出産できる体制が整っている。ただちに困ることはない」と述べた。

 産婦人科医については、絶対数の多い女性医師が出産や子育てで一線を離れてしまうことや労働環境の厳しさもあって、お産にかかわる産婦人科医は一部を除いて各地で不足している。

 県内では、彦根市立病院が07年に産科医による分娩を休止したが、15年から再開している。大津市によると、市民病院の分娩休止により、市内で分娩が可能な医療機関は大津赤十字病院や滋賀医大病院など7カ所になった。(宮城奈々)