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 国際社会の経済制裁に苦しむ北朝鮮が、制裁にかからない範囲での外貨稼ぎを中国で活発化させている。米国との非核化交渉が進まず、頼りの中国も国連を尊重する姿勢を崩さないなか、「あの手この手」で少額でも稼ごうとしている。

 北朝鮮との国境の街、中国遼寧省丹東市。この街で今年に入って目立つようになったのが、「つけまつげ かつら」と朝鮮語で書かれた広告看板だ。製造を請け負うと、北朝鮮企業が中国側に宣伝しているのだ。

 「これまでの仕事ができず、数千人の人手が余っている」。中朝貿易の関係者は昨秋、北朝鮮の電子部品工場の経営者からこう泣きつかれ、つけまつげを発注してくれる中国企業の紹介を頼まれたという。

 つけまつげなどの毛髪加工品は、制裁下の北朝鮮の主力輸出品となっている。毛髪加工品づくりは繊細さと根気が必要で、北朝鮮の「得意分野」。日本への輸出ルートを持つ中国企業もあるため、日本語の説明付きの見本品を見せる業者もいたという。

 つけまつげ広告の増加の背景にあるのが制裁だ。

 中国は北朝鮮の対外貿易の9割を占める「お得意様」だが、中国税関総署の統計によると、2018年の北朝鮮の対中輸出額は前年比で88%減に。国連などの制裁で、主要輸出品だった石炭や繊維製品の取引がほぼなくなったためだ。

 残る主力は制裁対象ではない手工品。今年2月の輸出総額約1796万ドル(約20億円)の中で、毛髪加工品は約240万ドル(約2億7千万円)と1割を超え、前年比で約2倍に伸びた。

 単価が安く、もうけは少ないが「今はこれしかない」。中朝貿易関係者によると、北朝鮮の業者はそうこぼしていたという。

 両国の文化交流も、外貨稼ぎに…

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