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 徳川家康の「清洲越し」によって、名古屋の城下町として整備されて約400年。東海地方を代表する商業地の栄で再開発の機運が高まっている。商業施設の建て替えが相次いで発表され、2020年代には街のイメージが大きく変わる可能性がある。

 栄には地元資本の百貨店がいくつもあり、にぎわいを創出してきた。1925年に松坂屋名古屋店が現在地に開店。丸栄本館は53年に完成し、翌54年はオリエンタル中村百貨店(現在の名古屋三越)が開業した。同年は栄のシンボルと言える名古屋テレビ塔もオープンした。57年には名古屋―栄町で地下鉄が開通し、地下街も誕生。インフラも含めて都市機能が充実し、利便性が向上した。

 風向きが変わったのは、2000年代に入ってから。名古屋駅周辺で超高層の複合商業施設が続々と開業。オフィス、ホテル機能も備えた名駅地区に東海一円から人が集まるようになった。その勢いに押されるように昨年、業績低迷の続いていた丸栄が閉店。今年3月末には老朽化した中日ビルが建て替えのために閉館した。

 今後は丸栄跡地や新中日ビル、大丸松坂屋百貨店の新店など開発案件が目白押しだ。名古屋市は久屋大通公園北地区の整備に入り、名古屋テレビ塔も改修工事が進む。名古屋学院大の江口忍教授(地域経済論)は「栄は高層ビルができて、雰囲気が変わるだろう。地域の一番の《資源》は久屋大通公園だ。くつろぎ、食を楽しむイベントも仕掛けることができる。容積率だけにこだわらず、街とつながりのある建物ができれば、栄の魅力が増すだろう」と語る。(斉藤明美)