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 佐世保市長選には新顔の田中隆治氏(75)と、3選を目指す現職の朝長則男氏(70)の2人がいずれも無所属で立候補しています。2人の横顔を紹介します。

田中隆治氏(75)

 五島列島の北端にある宇久島の出身。父の営む映画館の手伝いで、子どものころからポスターを貼り歩いたり、本土から届くフィルムを船着き場に受け取りに行ったりしたという。

 諫早市の高校を経て神戸大学に進み、恩師の勧めで流体工学を専攻。40年、水とプロペラの間のエネルギー変換を研究してきた。

 転機は退職後。妻と長野県の斑尾(まだらお)高原に移住し、ペンションを営むうちに人づきあいに目覚めた。「物言わぬプロペラと違って、宿泊客とは会話があり、笑いがあり。こりゃ人生間違ったな、と」

 宇久町が佐世保市に編入合併された翌年の2007年、市議選に出た。故郷の面倒を見たいと思い立っての決断だった。

 今回は、市議選で落選して以来の挑戦だが、意味合いは少し違う。「かつての佐世保は、キラキラしてにぎやかだったのに高齢化が進み、人口が減り……。このままじゃ子どもや孫に、引き渡せないでしょ」

 決意を打ち明けた当初あきれた妻は告示直前、12年前に手作りしたたすきを差し出してくれた。選挙カーに仕立てたマイカーのハンドルを自分で握り、妻らと家族ぐるみの戦いだ。(原口晋也)

朝長則男氏(70)

 当初の無投票の予想が一転して、8年ぶりの選挙戦になった。「望むところ。市民に広く政策を訴えるチャンス」と力を込める。

 重視するのは人口減少への対策。「決め手はない。企業誘致、観光や農水産業の振興、移住促進などの組み合わせが必要だ」。中でもカジノを含む統合型リゾート(IR)は誘致できれば多様な雇用をもたらすと期待する。人口の自然増のため、未婚者対策にも力を入れる考えだという。

 川棚町で県とともに計画を進める石木ダムには13世帯が反対を続けるが、「もう進んでいる事業。中止すると、市民や国に損害を与えることになる」と、推進の立場は揺るがない。

 毎朝6時ごろから約1時間のスロージョギングは、20年ほど続けている習慣。鍛えた足で、市役所5階の市長室まではエレベーターを使わず階段で上がる。

 3期12年。公務のない日は年に10~15日という。「休むことに、それほどこだわりはない。でも家族には迷惑をかけた」と話す。

 座右の銘は、西郷隆盛が好んだ「敬天愛人」。「天を敬うことは、人を敬うこと、人を愛することにつながっている。好きな言葉」という。(福岡泰雄)