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 日本ペイントホールディングスは17日、オーストラリア(豪州)の大手塗料メーカー、デュラックスグループを約3千億円で買収すると発表した。8月に全株式を買い取って子会社にする。安定成長が続く豪州に進出することで、中国を中心にアジアに偏っていた収益構造を改める。

 デュラックスは、豪州とニュージーランド(NZ)の塗料市場でトップシェアを持つ。とくに建築用の塗料が強いという。2018年9月期の売上高は約1480億円。

 日本ペイントは国内最大手の塗料メーカーで、18年12月期の売上高は約6277億円にのぼる。海外展開を進めるなど世界4位の規模を誇るが、売上高全体の4割を占める中国市場に頼る経営が課題だった。同社が豪州に子会社を置くのは初めてとなる。収益源を分散させてリスクを抑える効果もねらう。

 日本ペイントの田堂哲志社長は同日開いた記者会見で「(海外展開は)これまで中国一辺倒だったが、米中貿易摩擦などで成長が鈍ってきた。経済が安定している豪州に進出すれば、事業の健全性も改善できる」と説明した。

 日本ペイントをめぐっては、筆頭株主のシンガポール塗料大手ウットラム・グループが13年に買収を提案し、いったんは撤回した。だが、18年に取締役の過半数をゴー・ハップジン代表らウットラムの推薦者で占めるなどして、影響力を高めてきた。

 ゴー氏は日本ペイントで買収を協議する委員会のトップも務めるだけに、今回の買収での関与も指摘される。田堂氏はこれに対して「以前から検討してきた。(ゴー氏ら)個人の意向を反映したものではない。ウットラムとは豪州の事業がうまくいくように協議していきたい」と話した。(米谷陽一、福山亜希)