吐いて監督に怒鳴った「山の神」柏原さん、変わったのは

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聞き手・石塚大樹
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福島と平成 元東洋大陸上競技部主将・柏原竜二さん(29)

 4年生で主将として迎えた2012(平成24)年正月の箱根駅伝は、プレッシャーが全くありませんでした。「1位でおまえにたすきを渡す」という他の選手たちの言葉を信じていたからです。

 約束通り4区までに2位に2分差を付け、トップで5区を走り始めました。過去3大会は追う立場から8人、6人、2人を抜いて1位になりましたが、最後の大会は無心で走ることができました。とても調子が良く、周りの景色がゆっくり流れていたのを覚えています。

 タイムは全く気にしていませんでしたが、気づいたら区間記録を更新し、2位との差も5分に広がっていました。2年ぶりの総合優勝に貢献できました。

 2、3年生の時、チームメートが「何分差までだったら柏原が逆転してくれるか」と話していました。「柏原が逆転するのは当たり前だ」と思っているようでした。周りを信じられず、食事の度に吐き、家で泣きました。酒井俊幸監督に「このやろう」と怒鳴ったこともありました。調子も落ちていきました。

 変わるきっかけは、3年生の…

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