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 旧優生保護法下で不妊手術を強制されたとして、宮城県内の60代女性、70代と80代の男性の計3人が国に損害賠償を求めた訴訟の第2回口頭弁論が18日、仙台地裁であった。国側が「20年の除斥期間が経過し、損害賠償請求権は消滅した」と改めて文書で主張したのに対し、原告側は、同法の改正時点ですでに20年が経過しており、原告が提訴するのは困難だったと反論した。

 原告側弁護士は「除斥期間を適用すれば、国家賠償請求権を定めた憲法17条に反する」と意見陳述した。先行する別の訴訟の判決が5月28日にあり、原告側は「判決を踏まえ準備書面を出す」としたため、次回期日は7月10日に決まった。

 原告弁護団によると、地裁は非公開の進行協議で、国会で審議中の救済法案が成立した場合に「この裁判に影響はあるか」と質問。原告側は「救済法案は国の責任があいまいで、賠償額も不十分。我々が求める救済法にはあたらず、裁判に影響はない」と答えた。

入所者2人とともに病院へ

 裁判後の記者会見で、原告の70代男性が、宮城県内の原告で初めて顔を出しての取材に応じ、「同じように被害を受けた仲間に名乗り出てほしい」と呼びかけた。

 訴状によると、男性は県内の知的障害者施設に入っていた18歳のころ、仙台市太白区にあった愛宕診療所で説明なしに不妊手術を受けさせられた。他の入所者2人とともに車で病院に連れて行かれたという。

 男性は「当時は人として扱われなかったことに『助けて』と声を上げられなかった。わかってもらえないだろう、もっとひどい目に遭うのではないかという恐怖で、勇気が持てなかった」と明かした。

 先に声を上げた県内の女性たちを報道で知り、「自分も同じだ」と提訴。国会では救済法の成立が迫るが、「国の謝罪はなく、納得していない」と男性は話す。「一緒に手術を受けたA君、B君、どうしているのかな。私の顔をみて、名乗り出て」と声を振り絞った。(窪小谷菜月、山本逸生)