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 真言宗開祖の弘法大師・空海(774~835)をまつる大師堂などを回り、子どもたちが旗のついたあめをいただく「旗もらい」の風習が、山口県下関市に息づいている。毎年3月21日に行われており、市内の写真家中野英治さん(69)が、この日を楽しみにしている子どもたちの姿を撮影した。

 「お大師さん」と書かれた黄色の幟(のぼり)が掲げられた同市彦島田の首町の大師堂。早朝から集まってきた子どもたちが一握りのお米や小銭をお供えすると、世話役の女性らが旗の棒の先にあめがついた「旗あめ」を手渡した。

 地域の旗あめ職人らから話を聞いた中野さんや郷土史などによると、弘法大師が開いたとされる「四国霊場八十八カ所」に影響を受けて各地に霊場がつくられ、下関でも大師信仰が盛んになったという。

 今月21日にも市内各地で予定されている。中野さんは「物資の少ない戦後、子どもたちに夢と希望をくれた旗もらいの文化を継承している地域の人々に感謝したい」と話している。中野さんはウェブサイト「神人写楽」(https://sinjinsyaraku.jimdo.com/別ウインドウで開きます)の「お問い合わせ」フォームに各地の旗もらいの情報を寄せてほしいと呼びかけている。(白石昌幸)