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 長野県軽井沢町で2016年、大学生ら15人が死亡したスキーバス事故をめぐり、大学生1人の遺族がバスを運行した「イーエスピー」(東京都羽村市)に損害賠償を求めて東京地裁(石井義規裁判官)に起こした訴訟で、和解が4月1日に成立していたことがわかった。和解調書によると、同社が約1億3千万円を支払うことで合意した。同様の訴訟は長野、さいたまの各地裁でも起こされているが、結果が出たのは初めて。

 東京地裁訴訟の訴状などによると、遺族側は、運転手が前方を注視していなかった▽運転操作を誤った▽制限速度をはるかに超える高速で走行した――などと主張し、「過失は明らかだ」と訴えた。死亡した大学生は金融機関への就職が決まっていたことも踏まえ、将来得られたはずだった逸失利益や慰謝料として、計約1億9200万円の損害賠償を求めていた。同社は取材に「ご遺族には今後も誠意を持って対応していく」と語った。

 国の事故調査委員会の報告書によると、事故は16年1月15日未明、軽井沢町の国道18号で発生した。同社が運行するスキーツアーの大型バスは、時速50キロの制限速度を超える時速95キロで下り坂を走行。カーブを曲がりきれず、ガードレールを倒して約4メートルの崖下に転落した。乗客の大学生13人と運転手2人が死亡、26人が重軽傷を負った。(田中奏子、岡本玄)