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 医者が手術を練習するためのリアルな肝臓のモデルを、伊那食品工業(長野県伊那市)や丸紅情報システムズなど4社がつくった。3Dプリンターや植物由来の素材を使い、形や質感を実物に近づけた。このモデルが普及すれば、動物愛護にもつながる可能性があるという。手術の練習と動物愛護の意外なつながりとは。

 肝臓は人間で一番大きな内臓で、重さは体重の約50分の1とされる。その臓器をデータ化して3Dプリンターで型をつくり、その型に樹脂製の血管を装着した上で植物由来の素材を流し込んでつくる。モデルの表面はぷるぷるした触感で、押すと弾力を感じる。モデルを透明にして、中の血管を見えやすくすることもできる。

 丸紅情報システムズによると、肝臓は血管が多くて手術が難しいとされ、このモデルを練習で試した医師からは「手術をするときをイメージしやすい」といった声が寄せられたという。

 今は手術の練習で本物の動物の臓器を使うことがある。ただ、調達や管理が難しく、動物愛護の観点から反対も根強い。また、従来の樹脂やフィルムを使った臓器の模型では、形が似ていなかったり硬すぎたりする問題があった。

 肝臓モデルは税抜き9万円からで、医療メーカーや病院に販売する。額はかさむが、オーダーメイドでつくることも可能。手術前に患者のデータをもとに本人の肝臓をリアルに再現し、手術のシミュレーションをするような使い方もできるという。(末崎毅)