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 ウクライナ大統領選の21日の決選投票を前に、現職のポロシェンコ大統領(53)と対立候補のコメディータレント、ゼレンスキー氏(41)による最初で最後の討論会が19日、ついに開かれた。ゼレンスキー氏が世論調査で50%超の支持を維持し、逃げ切りを図る展開。討論会は、焦るポロシェンコ氏が政治経験のない相手の弱点をさらそうと強く求めていたが、互いに非難の応酬に終始した。

 会場は、出席に難色を示していたゼレンスキー氏が開催の条件として突きつけた首都キエフ中心部にある同国最大のスタジアム。ポロシェンコ氏は形勢を変えようと投票1週間前の開催を訴えたが、ゼレンスキー氏が応じず、結局、選挙戦最終日にずれ込んだ。

 討論では、2人のやり取りに2万2千人の歓声とブーイングが交錯した。ゼレンスキー氏はポロシェンコ氏の過去5年の政権運営を「失敗」と決めつけ非難。ポロシェンコ氏は「未経験のパイロットが操縦する飛行機には乗れない」などとゼレンスキー氏を攻撃した。ポロシェンコ氏は、知名度に頼るゼレンスキー氏の選挙戦も「有権者から隠れている」と激しく批判した。

 ウクライナではロシアによるクリミア半島の併合や親ロシア派による東部の占拠が続く。ゼレンスキー氏が犠牲者の家族に言及して舞台の上でひざまずくと、ポロシェンコ氏は背中を向けて国旗に口づけするパフォーマンス。観衆へのアピールばかりが目立ち、政策論争は深まらなかった。

 入場チケットは無料。双方の陣営がインターネットで登録を受け付けた。周辺には約1万人の警官が出動し、直近の地下鉄駅は閉鎖。中心部一帯で交通渋滞が起きた。(キエフ=喜田尚)