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 米グーグルやアマゾンといった「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業への規制をめぐり、政府が二つの新法をつくる検討に入ることになった。事業者との取引の透明化を義務づける法律に加え、特定の企業のサービスに利用者が集中して市場を独占しないようサービスを乗り換えやすくする法律を検討する。立場の弱い中小企業や消費者を守る狙いがある。

 3月から規制の方向性を議論していた経済産業省、総務省、公正取引委員会合同の有識者会議が報告書をまとめた。24日に公表する。政府はこれをもとに規制強化の方針を6月の成長戦略に盛り込み、夏以降に立ち上げる専門組織で具体策を詰める。来年以降の通常国会に法案を順次提出したい考えだ。

 報告書は、巨大IT企業が強い立場を利用し、取引先に多い中小企業との規約を一方的に変える行為などを問題視した。その上で、事業者が「下請け」化されるのを防ぐため、取引する際の禁止行為を定めたり、事業者への情報開示や説明義務を課したりする法規制を検討すべきだとした。

 まずは、問題となる取引が多いとされるネット通販サイトやアプリストアを対象にするべきだとし、実効性を高めるために違反企業に課徴金などの行政処分を検討すべきだとも記した。

 また、巨大IT企業の提供するサービスが便利だからと利用者が長く使えば、他社のサービスが良いと感じても自身の様々な情報を他社サービスに移す手間やコストがかかり、乗り換えづらくなる。企業が自社のデータやソフトをネット上に置くクラウドサービスや、買い物履歴や銀行の入出金などを記録する家計簿アプリなどでそうした状況になる可能性がある。すると市場では競争は生まれず巨大IT企業による寡占が進む恐れがある。結果として個人情報の保護などの対応がおろそかになる危険性もある。

 報告書ではこれを防ぐために、利用者が個人情報を携帯番号のように自らの意思で自由に他のサービスへ簡単に移せるようになれば、過度な情報の集中が抑えられ、利用者の個人情報も守られると指摘。自由な移転を認める法律などの検討が必要だとした。政府は技術革新を阻害しないために業界による自主規制も同時に検討するほか、金融やクラウドサービスなど業種を絞って検討を進める方針だ。家計簿アプリなども対象になりそうだ。(西山明宏)