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 オランダの画家フェルメール(1632~75)の日本未公開作「ヴァージナルの前に立つ女」の陶板複製画の展示が、徳島県鳴門市の大塚国際美術館で、20日から始まった。人気の高い「真珠の耳飾りの少女」や風景画「デルフトの眺望」などフェルメールのほかの作品5点と共に専用のギャラリーで展示している。

 43歳で死去したフェルメールは寡作の画家として知られ、その作品は35点前後しか残っていない。「ヴァージナルの前に立つ女」(ロンドン・ナショナルギャラリー所蔵)は後期の代表作で、小型の鍵盤楽器の前に立つ女性が描かれ、恋をしていることを暗示するキューピッドなど2枚の画中画が描かれている。

 大塚国際美術館のバロック時代の絵画選定委員を務める大髙保二郎・早稲田大名誉教授によると、画家としての最盛期の繊細さと晩年の簡略化がほど良く混在する作品で、「穏やかな光と、光が生む精妙な陰影が色彩とも見事に調和し完璧で美しい」と評価する。

 ただ、これまでに原画が国内で公開されたことはないといい、展示品に加えることにしたという。学芸員の山側千紘さんは「フェルメールの作品の中でも特に光の描写が洗練され繊細な印象を受けた。ほかの作品との表現の違いなどを楽しんでほしい」と話す。(佐藤常敬)