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 「プロレスの西の聖地」として知られ、3月末で閉館したボウリング場「博多スターレーン」(福岡市)のプロレス観戦用の特製パイプ椅子が、神戸市のプロレス団体に引き取られることになった。一部のファンの間で「去就」が注目されていた。

 スターレーンの観戦用椅子は3種類。通常の高さ0・75メートルの折りたたみ式のパイプ椅子のほか、高さ1メートルの中椅子と1・15メートルの大椅子がある。会場の床は段差がなく平らなため、後方の観客が見やすいようにと20年ほど前に特注された。

 閉館が決まったあと、複数の団体から「使いたい」という打診があったが、数百脚の椅子を運搬する経費面での難しさなどで相次いで頓挫。そのなかで、スターレーンで興行を重ねてきた「ドラゴンゲート」が、自前で運搬用トラックを用意することで話はまとまった。営業担当者は「以前から、あの背の高い椅子は見やすくていいと思っていた」と話す。

 スターレーン展示会場でプロレス興行を担当してきた金子誠一部長(57)は「まだまだ使えるので、何とか行き先が決まり、よかった」と安堵(あんど)する。金子部長の前任者で、椅子を発注した「生みの親」である高田正博さん(71)も「長い付き合いのドラゲーさんに引き取ってもらえてよかった」と話す。

 ファンにとって、スターレーンの椅子は「聖地を象徴する品」だという。営業最終日の3月31日、金子さんが「皆さんにプレゼントがあります。一番低い椅子は自由に持って帰ってください」とアナウンスすると、観客から歓声があがり、約300脚が次々と持ち帰られた。

 ドラゴンゲートでは、全国の興行で使う予定。中と大サイズ計約200脚は、プロレス観戦用としてふたたび表舞台に立つ。(谷辺晃子)