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 野党側は沖縄での勝利を沖縄県知事選に続く野党統一候補の成功例と位置づける。一方、大阪の敗北は夏の参院選に向けた野党の候補者調整を難しくしそうだ。

 辺野古移設の是非が争点となった沖縄3区では、知事選にならい今回も特定政党のカラーを出さない戦術をとった。支援組織も「移設反対」の立場で一致する共産、社民両党や保守系政治団体などでつくる「オール沖縄」を前面に出した。

 野党内では情勢調査などで屋良朝博氏優勢が伝えられ、陣営の緩みを懸念する声もあった。屋良氏を全面支援した玉城デニー知事の出身政党である自由党の小沢一郎代表はたびたび沖縄入りし、水面下で引き締めを図った。立憲民主、国民民主、共産、自由の4党首は選挙戦終盤にようやくそろって沖縄入り。野党の結束をアピールした。

 大阪12区補選では、共産が現職議員の宮本岳志氏を辞職させ無所属で擁立するという「奇策」に打って出た。

 宮本氏は国会で森友学園問題で追及の先頭にたち、野党内で信頼も厚い。共産の現職議員が無所属で挑むのは結党以来初めてという。共産は小選挙区制が導入された1996年衆院選以降、大阪12区には公認候補を立ててきたが、いずれも得票率は2割に届かず、支持層の拡大が課題となっていた。

 共産側には、無所属からの立候補を選ぶことでほかの野党支持層や無党派層の票を集めることができれば、参院選1人区でも「共産系無所属」を擁立する野党共闘のモデルになる――との計算があった。立憲や国民はすでに自主投票の方針を決めていたが、共産幹部は宮本氏擁立を発表する直前に立憲幹部に打診。立憲側は「立憲票の6割は(宮本氏に)乗る」との見通しを伝えた。

 しかし、得票数は旧民主党出身の樽床伸二元総務相にも及ばなかった。共産幹部は「無所属にしてもうちの色が出るということなら、参院選でも同じ結果になる」と分析する。

 野党6党派は補選の結果などを踏まえ、参院選1人区の候補一本化に向けた調整を加速させる構えだが、共産系候補の無党派層への浸透の難しさが表面化したことで、調整は難航する可能性もある。