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21日に投開票された統一地方選の市町村議選で、聴覚に障害がある中島竜二さん(30)=豊田市花園町=が愛知県豊田市議選(定数45)で初当選を果たした。22日朝、取材に対してメールで、「地道に活動した結果だと思うが、最後まで(当選できるか)分からなかった。組織もない中、4109票も頂いたことはすごく重みがある」と答えた。

 生まれつき耳が不自由で声を出して話すことはできず、普段の生活では手話と、タブレット端末による筆談に頼っている。

 ろう学校を経て、私立大学へ入学。在学していた頃から日本の福祉行政の遅れと障害者への理解不足が気になっていた。「変えるには政治の力が必要。当事者である自分が議会に立って訴えたい」という思いは年々強くなっていった。

 昨年9月、勤務していた大手自動車関連デンソーを辞め、立候補に向け、本格的な準備を始めた。両親には大反対をされたというが説得し、選挙戦ではチラシ配りなど手伝ってもらった。同じように聴覚障害がある、埼玉県戸田市の佐藤太信(たかのぶ)市議や「筆談ホステス」として知られる東京都北区の斉藤里恵区議(当時)の下にも足を運び、選挙活動の方法について助言を受けた。

 「心が聴こえる市政を」とうたった、たすきをかけて各地の街頭に立った。中島さんが手話をして市民に語りかける横で、支援者たちが、「豊田市をもっとバリアフリーに」「小中学校での障害児へ特別支援教育の充実を」などと公約を読み上げた。福祉団体を重点的に回る中で、徐々に支持を広げ、選挙戦では、「チラシは見ました」と声をかけられることも増えた。

 当選後の抱負として、「まずは手話言語条例を制定し、バリアフリー化を進めたい」と語った。(臼井昭仁)