非自民・友愛・改革・忖度… 言葉の興亡みる平成政治

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日曜に想う

 言葉は怖い。

 正しく使えば武器になる。国民の心をつかんで時代を突き動かし、権力者には正統性を、挑戦者には大義を与える。

 誤って使えば身を滅ぼす。国民の心を離反させ、権力者には失墜を、挑戦者には失速をもたらす。時代の変化に立ち遅れては最後、死語となる。

 魔物にもなる。国民を扇動し単純で極端な危ない時代へ誘い込むこともある。

 平成においても時代を画した政治の言葉は幾つもあった。流行語大賞をとったがいわば一発屋で終わった言葉も少なくない。その興亡を振り返ると、平成の政治の正体が見えてくる思いがする。

    ◇

 「守旧派と改革派」。平成初期の政治改革政局を先導した魔力を持つ言葉である。送り出したのは小沢一郎氏だった。

 昭和のやり方が時代遅れなのは自覚されていた。成長でなく負担を分け合う時代が迫り、東西冷戦構造が崩れて日本は国際貢献を求められた。派閥による疑似政権交代と利益の事前調整に頼る古い自民党政治では改革出来ない。そう念じて自民党を飛び出した小沢氏が彼我の違いを一言で決め付けたスローガンだった。

 それは大当たりし「非自民」…

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