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 21日投開票された統一地方選後半戦の山梨県富士吉田、南アルプス両市長選はいずれも現職の堀内茂氏(70)、金丸一元氏(70)がそれぞれ前回と同じ相手との一騎打ちを制した。一夜明けた22日、新たな任期4年間への決意を表した。

力強い稼げる町へ

 4選を果たした堀内氏は、富士吉田市役所で市選管委員長から当選証書を受け取った。委員長の「全力で任務を果たすようご期待申し上げます」の言葉に大きくうなずいた。

 2015年に続き新顔の勝俣進氏(63)を破ったが、票差は前回の6897票から2867票に縮まった。自身は得票を2200票余り減らし、勝俣氏は1700票余り増やした。取材に「市政への不満や物足りなさがあった。今後の(反省)材料にする」と自戒の言葉を述べた。

 選挙戦で堀内氏は、3期12年の実績のほか、具体的な政策を公約として掲げた。一方、勝俣氏は「希望にあふれ、魅力ある市政」などと具体性に欠いた。告示前、富士五湖青年会議所が公開討論会を企画したが、不参加と回答。政策論争の意欲に欠け、現職の多選を疑問視した有権者の支持を集められなかった。

 4期目の最重要課題について、堀内氏は「蓄積した知識、経験、人脈を生かし、国に頼らない『力強い稼げる町』をめざす。子どもの育成と高齢者福祉が大切」と強調。「市は自力で動ける『筋肉』が大切。富士山、地場産業の織物、多くの海外からのお客さまの『栄養素』を活用する」と話した。(河合博司)

完熟農園に方向性

 南アルプス市長選では、2003年4月の合併で市が誕生して以来、金丸氏は再選された初の市長となった。市役所で当選証書を付与され、「1期目の土台づくりの上にしっかりとしたものをつくることが重要。市のために一生懸命に頑張りたい」と語った。

 前市長の中込博文氏(70)と再び激突。開業7カ月で営業停止した大型観光施設「南アルプス完熟農園」の跡地活用策で主張し合ったが、集客力のある企業や施設を誘致するという方針に大きな違いはみられなかった。

 金丸氏は前回なかった自民党の推薦を受け、1月の知事選で自民推薦で当選した長崎幸太郎知事との連携を強調した。中込氏陣営は「反金丸」の立場を鮮明にし、立候補表明しながら断念した元県議の票の取り込みを図ったが、投票率は前回より8・4ポイント下がり、組織票もある金丸氏に差を広げられた。

 完熟農園の跡地について、金丸氏は「4年間で一定の方向性を見いだしたい」と説明。高齢者支援の地域包括ケアシステム構築を掲げるほか、リニア中央新幹線開業による人口増を見すえ、「インフラ整備の基盤をつくる」と強調した。(田中正一)