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 改札にかざすだけでスイスイ……行けない?

 切符代わりになる交通系ICカードSuica(スイカ)。JR盛岡駅には最近まで宣伝ポスターが貼られていたが、実際列車に乗ろうとしても使えない。調べてみると、東北の在来線で利用できる駅は宮城や福島が中心で他県ではほとんど使えない。同じJR東日本管内の首都圏ではあちこちで使えるのに、なぜ?

 今月8日に投稿されたあるツイートが1万件近くリツイートされた。盛岡駅構内のポスターには「スイスイ行こうぜ」とある一方で、改札機には「交通系ICカードはご利用頂けません」と書かれたシール。そんな「矛盾」を、2枚の写真を並べてついていた。投稿者は取材に「Suicaの便利さを知っている人であれば、導入を望んでいる人は多いと思います」。

 駅利用者はどう思っているのか。盛岡駅で聞いてみた。買い物で東北線を使うという盛岡市の会社員女性(42)は、旅行先の東京や大阪でよくSuicaを使うといい「岩手の在来線でも使えれば便利」。岩手県一関市の主婦の女性(64)は「車の移動が基本だからいらないかな」と話す。

 岩手県でSuicaが利用できるのは東北線の一ノ関と平泉の2駅のみだ。どうして限定的なのか。JR東日本の広報担当者は「様々な判断要素があるが、駅の利用状況が導入費用に見合わないのもある」と話す。詳細は非公表だが、Suicaは他社路線との相互乗り入れも可能な分、システムが複雑で膨大なコストがかかるという。

 東北でみると、仙石線(あおば通―石巻)や宮城、福島両県内の東北線の一部など、仙台駅を中心としたエリアで使える。駅ごとの1日あたりの乗車人数(2017年度)をみると仙台駅は約9万人。路線の利用状況の指標で1日1キロメートルあたりの利用者数を示す「平均通過人員」は仙石線で約2万人だ。

 一方、盛岡駅は約1万8千人で、東北線(一ノ関―盛岡)は約8千人と差がある。一ノ関の乗車人数は4400人で平泉は450人。盛岡駅よりも少ないのにSuicaが使えるのは、世界遺産の平泉が近く首都圏からの利用客も多いことなどが理由だ。

 JR東では現在、Suicaの…

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