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 がん細胞の遺伝子を調べ、患者ごとに最適な治療法を探る「ゲノム医療」の遺伝子検査システムについて、厚生労働省は、検査で判明した遺伝子情報を国に提供することを保険適用の条件にする方向で検討を始める。近く公的医療保険が適用される見通し。24日の中央社会保険医療協議会(中医協=厚労相の諮問機関)で議論する。

 システムは国立がん研究センターとシスメックスが開発した「NCCオンコパネル」と、中外製薬が扱う「ファウンデーションワンCDx」で昨年末に薬事承認された。がん細胞の遺伝子100種類以上を一度に調べ、どの遺伝子に変異が起きているかを解析できる。対象となるのは、がんが再発や進行して標準的な治療が受けられない患者や、小児や希少がんなど一部のがん患者。初年度は7万~10万人とみられる。

 検査により、標準的な治療法がなかった患者に合う薬が見つかる可能性がある。だが、見つかった薬が承認されていなかったり開発中だったりするため、治療につながるのは1~2割程度という。厚労省は患者のゲノム情報を集めてデータベース化し大学や企業の研究を促進。新しい薬の開発につなげたいとしている。

 今回、患者の同意を得たうえで、国立がん研究センターの「がんゲノム情報管理センター」に遺伝子情報を提供することを保険適用の条件にする方向で、厚労省は検討する。

 厚労省の有識者会議「がんゲノム医療推進コンソーシアム運営会議」でも遺伝子情報の集約と活用が重要だと議論しており、委員の1人の横倉義武・日本医師会長は17日の記者会見で「がんゲノム情報管理センターに適切に提出されるよう、医療保険上の取り扱いや必要な法整備に取り組むよう強く要望する」と話した。(西村圭史、月舘彩子)