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第三者委が検証結果

 埼玉県の草加市立病院が国の基準を満たさないまま子宮がんなどの腹腔(ふくくう)鏡手術をし、診療報酬を不適切に請求していた問題を調べていた第三者委員会が検証結果をまとめ、23日発表した。記者会見した井出健二郎委員長(和光大学長)は「重大な事故につながりかねず、許されるものではない」と厳しく非難し、チーム医療体制の再構築などを提言した。

 報告によると、病院は2008年9月~17年10月、先進医療や保険診療の施設基準を満たしていないのに、先進医療にあたる子宮がん88件、卵巣がん7件の腹腔鏡手術を実施した上、開腹手術として診療報酬を請求。請求総額は約1億4070万円に上った。

 手術を担当したベテラン医師は、先進医療である子宮がんの腹腔鏡手術をするのに必要とされる学会の認定などを受けないまま手術し、周囲も容認。自由診療、先進医療に当たるとの事前説明も患者にしなかった。診療報酬も十分な確認をしないまま、従来の手術と同様に請求していた。

 問題発覚後に病院が設けた第三者委は昨年5月から20回審議し、関係者のヒアリングや資料調査などを実施。提言では法令順守意識の低さや組織の風通しの悪さを指摘し、管理体制改革のため「病院内部統制者」の設置などを提言した。

 会見に同席した河野辰幸・病院事業管理者は「不適切な診療が長年行われてきたことをおわびします。検証結果を真摯(しんし)に受け止め、改善に努めたい」と話した。(春山陽一)