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 カジノ付き統合型リゾート(IR)の誘致を巡り、横浜市が揺れている。地元の商工会議所などが市に誘致を求めているのに対し、港湾事業者の多くが加盟する横浜港運協会が「カジノ反対」の声を上げたのだ。その背後には「ハマのドン」の意向がある。

「テコでも動かない」

 ドスン、ドスン、バコン、ギイ……。4月中旬、横浜市中区の山下埠頭(ふとう)に足を運ぶと、埠頭の西側で大型の重機がうなりを上げていた。

 ここはIR誘致の有力な候補地だ。3年ほど前まで、50社を超える港湾荷役業者らの倉庫や事務所があったが、すでに一部で解体工事が進んだ。埠頭全体が再開発される予定で、横浜市は2022年3月までに山下埠頭での営業をやめて、近くの本牧埠頭などに移転してもらうよう、残る港湾業者と交渉を進めている。

 だが、移転交渉は順調とはいえない。立ち退きが進んでいない業者がまだ多く、先の展開が見えないためだ。

 「再開発の計画が承知できるまで我々はテコでも動かない」

 3月下旬、横浜港運協会の理事会。加盟者に配られた文書には、こんな言葉がつづられている。「山下ふ頭からの移転に関しては、まず当局と横浜港運協会が合意してから進めるようにお願い致します」などと書かれた文書からは、移転交渉の緊迫感が伝わってくる。

ハーバーリゾート構想

 山下埠頭で持ち上がっている再開発計画とはどんなものか。

 計画の対象は総面積47ヘクタール(東京ドーム10個分)。東京都心や羽田空港へのアクセスも良く、港は世界に開いている。横浜市のある幹部はここを「最後の聖地」と呼ぶ。首都圏の都心部に残る唯一無二の巨大な再開発用地という意味だ。

 目玉は、みなとみらい地区や山下公園につらなる新たな観光拠点「ハーバーリゾート」の開発だ。ホテルや国際会議場などの建設に加え、カジノを含むIRの誘致も検討されている。

 横浜港運協会は、再開発計画そのものに反対しているわけではない。「カジノ」に反対しているのだ。それには「ドン」の強い意向がある。

「街が死んでいる」

 2月下旬、横浜市中区にあるビルの上階を記者が訪ねた。「やあ、どうも」と言いながら、その人は現れた。

 藤木企業株式会社の藤木幸夫会…

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