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 中東イエメンの取材を予定していたジャーナリストの常岡浩介さん(49)が外務省から旅券の返納を命じられた問題で、常岡さんは24日、国を相手に命令の取り消しを求めて東京地裁に提訴した。同日、外国特派員協会で会見し、報道の自由が制限されたと訴えた。

 常岡さんは2月、羽田空港での出国審査の際に、外務省による旅券の返納命令書を入管職員から示された。イエメンには飢餓問題を取材するため1月にも渡航を試みたが、その際は経由地のオマーンで入国が許可されなかった。命令書には、オマーンへの入国が禁止されたことが返納を求める理由と記されていた。

 会見で常岡さんは「私1人の問題ではなく、市民が世界の実情を知る機会が失われる」と外務省を批判した。同席した田島泰彦・元上智大教授(メディア法)も、国内の弁護士やジャーナリストら約30人が命令撤回を求めるアピールに賛同していることを紹介したうえで「同じような取材の制限が続けば、市民の知る権利と民主主義が脅かされかねない」と話した。

 国際NGO「国境なき記者団」は「ジャーナリストの行動を制限する」ような日本政府の決定を「受け入れがたい」と批判する声明を出している。