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 スーパーや飲食店で従業員が転倒し、けがをする労働災害が急増している。背景には、従業員の高齢化や安全管理の不徹底がある。宇都宮労働基準監督署は24日、事業主団体の関係者を集めて事故防止の対策を求めた。

 栃木労働局によると、県内では2018年、休業4日以上の労災が1930件発生し、前年より84件増えた。件数を押し上げたのは転倒事故で、前年より79件多い477件。全体の24・7%を占めて最多だった。

 宇都宮労基署の管内(宇都宮市、さくら市、那須烏山市、高根沢町、那珂川町)では転倒事故が153件発生し、3年連続で増加。労災全体に占める割合が過去最高の28・5%に達した。

 60代以上が45・1%を占め、労災全体に占める60代以上の割合(26・7%)を大きく上回る。業種別ではスーパーなどの小売業や飲食業、清掃業が多い。

 具体的には、水にぬれた床や油汚れが残った調理場で滑ったり、重い荷物を持ってバランスを崩したりするケースがみられた。骨折も多いという。

 堀沢俊孝署長は「身体機能の衰えによる転倒事故を防ぐ対策が急がれる。床に固定したコードの段差でも転ぶことはある。高齢者の雇用促進に、安全対策が追いついていない面もある」と指摘する。

 宇都宮労基署は事業主などに対し、転倒事故の防止を昨年11月から集中的に呼びかけている。また、55歳以上を対象としたハローワークの就労説明会では、求職者に転倒への注意を促す講話をしている。(池田拓哉)