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 広島県警広島中央署で特殊詐欺事件の証拠品8572万円が盗まれた事件は、8日で発覚から2年となる。内部犯行も視野に捜査は進んでいるが、容疑者は特定できないまま。厳しい視線が注がれる中、県警は現職幹部らの拠出により、盗難分を全額補塡(ほてん)できる準備が整ったと明らかにした。補塡やむなしとの意見の一方で、一部からは批判の声も上がる。

 「この現金は詐欺事件の被害者の元へ還付される可能性があったものであり、被害回復ができなくなる事態は、被害者や県民からの信頼を大きく損なう」

 県警内部で3月、こんな趣旨の文書が回覧された。発信者は石田勝彦本部長。盗難分について幹部らが補塡するとともに、職員の福利厚生団体である互助会にも協力を依頼することを告知する内容だった。

 盗まれた現金は、身寄りのない高齢者を装ってメールで「生前贈与したい」と持ちかけ、手数料をだましとったとされる詐欺事件の関係先から押収したものだ。県警は2017年2月、詐欺容疑で男性被告(36)らを逮捕し、押収した約9千万円を広島中央署の金庫で保管。ところが同年5月8日、この大半が盗まれていたことが発覚した。

 現場が警察署という異例の事態に、県警は内部犯行も視野に捜査。だが進展がないまま時間が過ぎていく。男性被告らの有罪が確定すれば、証拠品の約9千万円は「被害回復給付金支給制度」に基づき、被害者に給付される。一審判決は秋ごろにも言い渡される見通しで、被害者数は400人規模に上るという。

 被害者救済のため県予算から補塡する方法も取り沙汰されたが、納税者の理解が得られないと断念。窮地に立った県警は1月から、幹部や退職者に拠出を呼びかけた。

 これに応じた元幹部は「盗まれた現金は、使われた可能性が高い。(拠出は)仕方ない」。一方、支払わなかった70代の退職者は「真相究明が最優先で、県警内の関係者がお金を出すのが筋。それができないのにOBにまで求めるのは筋違いだ」と憤る。

 また互助会内部で配布された文…

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