絶滅危惧種のイグアナ こわもてだけど実は草食系

竹谷俊之
【いきもの目線】キューバイワイグアナ@iZoo=2019年3月15日、竹谷俊之撮影
[PR]

 餌が入った容器を置いた途端、大きなトカゲの仲間が突進してきた。いかつい顔をした10頭ほどのキューバイワイグアナが群がり、ムシャムシャ食べ始めた。容器の中に仕掛けた360度カメラの映像は、リアルな恐竜映画のようだ。

 ポカポカ陽気の3月中旬、静岡県河津町にある爬虫類(はちゅうるい)中心の動物園「iZoo(イズー)」を訪ねた。iZooでは爬虫類や両生類など約400種、2000匹を飼育・展示している。

 園内に入ってすぐ目につくのが、キューバイワイグアナの広々とした展示場(幅15メートル)だ。優雅に日なたぼっこをしたり、首を上下に振って威嚇し合ったりしている。爬虫類部門主任の森悠さんの案内で展示場内に入り、撮影の準備をしているとキューバイワイグアナが近づいてきた。カメラを近づけても逃げない。「見た目は怖そうだけど人懐っこく、果物や野菜を食べる草食性のイグアナなんです」と森さん。

【動画】キューバイワイグアナのメイキング動画=竹谷俊之撮影

 キューバイワイグアナは、大きな個体で全長約1.5メートル。キューバ原産で乾燥した岩場や森林などに生息している。開発による生息地の破壊などで数は激減し、絶滅危惧種に指定されている。欧州の動物園との国際共同保護計画の一環で、iZooでは2014年から飼育と展示を始めた。

 森さんによると、日本でキューバイワイグアナを見られるのはiZooだけ。昨年8月末には待望の赤ちゃん27頭が生まれ、元気に育っているという。(竹谷俊之)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません