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ロスジェネはいま

 《「中年フリーター」という言葉を広めた労働経済ジャーナリストの小林美希さん(43)は、同じ世代の一員として多くのロスジェネに話を聞いている。自ら就職氷河期の「厳寒」を体験した立場で、自己責任論は欺瞞(ぎまん)だと否定する》

 大卒就職率が6割を下回った2000年に大学を卒業しました。就活では金融、メーカー、食品など、業種を問わず約100社にエントリーし、50社の面接を受けました。男子よりも女子学生が特に厳しく、最終面接までしているのに、「女子は採用ゼロ」という方針だった会社もあったことを後に知りました。実際は採らないのに、女子を採用するふりをしていたわけです。

 周囲でも精神的に病んだり、引きこもったりする女子学生がいました。私たちが小学生の頃に男女雇用機会均等法が成立し、実際に女子の方が成績がいいことも多かったのに、就活で差別を受けたという思いでした。

 結局、内定は消費者金融の1社だけ。同じ大学でも男子ではメガバンクや商社に内定した人がいましたし、当時は社会のせいだとは気付きませんでした。当事者だった当時は、何が起きているのか、分からなかったのです。

 内定した消費者金融を辞退して証券専門紙の「株式新聞社」に入り、その後、毎日新聞の「週刊エコノミスト」誌で記者をしました。そこで企業の決算や会計の取材を続けているうちに、正社員の比率を下げている企業が多いことに気づいたのです。

 これは、企業が人件費を削って利益を確保しているだけではないか。そう考えて特集記事の企画を提案しましたが、なかなか採用されなかった。当時はまだ「若者の考えが甘い」「仕事を選んでいるだけだ」といった見方が根強かったためだと思います。小泉政権下で、いわゆる自己責任論が広がった頃です。

 諦めずに何度もデスクに企画の提案を続けて、04年にやっと、フリーターの実態に迫る特集が組まれました。これが、非正規雇用にこだわるジャーナリストとしての原点です。

 《就職氷河期と非正規雇用の増加について警鐘を鳴らした記事から15年。その後も継続してロスジェネ世代を取材してきたが、事態は悪化する一方だった。このままでは手遅れになりかねない、と小林さんは語る》

就職氷河期に社会に出た世代に、「ロストジェネレーション」と名付けたのは、朝日新聞です。40歳前後となったロスジェネは今も不安定雇用や孤立に向き合っています。生き方を模索する姿を伝え、ともに未来を考えます。

 取材で長年、話を聞いている4…

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