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 熊本地震で被災した障害者や高齢者らを受け入れた避難所の記録を紹介する企画展が東京都港区芝2丁目の都人権プラザで開かれている。熊本学園大学(熊本市)が、障害者ら約60人を含む被災者750人を受け入れた45日間の取り組みだ。当時の避難所の様子が分かる写真パネルや、資料など43点を展示している。

 2016年4月の熊本地震では震度7を2回記録。同大は指定避難所ではなかったが、14日の最初の地震直後から住民が集まり始めたため、校舎を開放、教職員や学生らが独自の避難所を運営した。

 災害時に障害者や高齢者を受け入れることになっていた市内の福祉避難所が十分に機能しない中で、福祉教育に力を入れていた同大は障害者や高齢者を、健常者と同様に受け入れ、5月28日に閉鎖するまで24時間態勢で見守った。

 学内外の医師や看護師らのチームが、体調を崩した避難者の情報を共有するために書いたメモから、緊迫した状況が伝わってくる。91歳の女性の4月18日の項。「日赤へ救急(搬送した患者)の家族がもどってきて報告あり。MRIにて脳腫瘍(しゅよう)の疑いと古いInfarction〈梗塞(こうそく)〉あり、入院となった」

 同大卒業生の福祉関係者らが、要介護2で一人暮らしをしていた避難者から聞き取った記録には、「たき出し ないと困る。足が不自由なので(食料を)買いにいけない」という切実な声が記されている。

 写真パネルは、一般の避難所のトイレが使いづらくて同大に移ってきた車いすの人たち、ボランティアの美容師に髪を整えてもらい、ほほえむ車いすの女性、炊き出しに初めて挑戦する学生の様子などを伝える。学生が体験を振り返って語る映像も流れる。企画展「熊本震災と障害者を受け入れた避難所 熊本学園大学・激動の45日」を担当した都人権啓発センターの林勝一さんは「災害時に障害者や高齢者の人権を守ることを、普段から考える必要がある。熊本学園大の取り組みに学ぶべきではないか」と話す。

 11日午後1時半から、避難所運営にかかわった同大の花田昌宣教授らが「人権を保障するインクルーシブ(包括的)な避難所とは」と題して講演する。定員80人。講演、企画展とも無料。問い合わせは都人権プラザ(03・6722・0123)へ。企画展は6月29日まで(日曜休館)。(佐藤純)