「テレビの現場、クレーム恐れている」 田原総一朗さん

有料記事報道の自由はいま

聞き手・後藤遼太
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明日も喋ろう ジャーナリスト田原総一朗さん

 僕は32年間、生放送のテレビ討論番組「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)の司会をしてきました。放送が始まったのは、1987(昭和62)年4月、朝日新聞阪神支局が襲撃される事件が起きた1週間前のことでした。その後380回以上続き、平成の時代を通じて様々な立場の人たちの激論を見てきました。

 番組では、政治や経済、社会問題を取りあげ、長時間の生放送で議論しました。「タブーはなし」が信念。天皇制や被差別部落、暴力団や原子力問題などを取りあげてきました。

 昔の出演者を振り返ると、「体を張って言論の自由を守っている」人が多かった。映画監督の大島渚(なぎさ)さんは常に国家や権力に立ち向かう姿勢を崩さなかった。作家の小田実(まこと)さんは「天皇制反対」を明確にしていました。作家の野坂昭如(あきゆき)さんなんかは、生放送中に放送禁止用語をわざと言ってね。どこまでが言論の自由の範囲なのか、身を挺(てい)して挑戦していたんです。

 僕も同じですが、彼らに通底するのは戦争を知る世代だということです。

 通っていた小学校の先生は戦…

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