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 新元号「令和」にちなみ、一般にはあまり知られていないカニに注目が集まっている。その名も「カクレイワガニ」。夜行性で昼間は岩場の陰に潜んでいるが、「名前に令和(レイワ)が隠れている」と、鹿児島市のかごしま水族館が30日から、エントランスホールに特別展示した。早くもゴールデンウィーク(GW)で訪れた子供たちの人気者になっている。

 同館によると、カクレイワガニはイワガニの一種。鮮やかな紫色のハサミが特徴で、高知県以南のあたたかい海に生息する。昼間は海岸の岩場や防波堤の隙間に隠れているという。

 4月1日に新元号が発表されると、同館では「令和」にちなんだ生き物の展示を検討。ある職員が「うちは飼育していないが、鹿児島の近海にカクレイワガニというカニがいる」と提案した。ところが昼間は姿を見せないうえに俊敏。「捕獲は難しいだろうと展示を諦めかけていた」と佐々木章館長(52)。

 だが改元が近づき、祝賀ムードの高まりに、職員から「やっぱり展示を」と声があがり、館長が知り合いの鹿児島県奄美市の漁師に捕獲を依頼したところ、25日夜、5匹を捕獲したという知らせが届いた。

 今回、展示されているのは、このうち甲幅約4センチのオス1匹。30日午前、GW中とあって展示コーナーの前には写真を撮ろうと家族連れらの行列ができた。

 子どもたちは、背伸びをしながら、水槽の上から石陰に隠れたカクレイワガニを探したり、水槽のガラスに額をくっつけてカニを見つめたり。「こっちをみてる。かわいい」などと言って、喜んでいた。

 家族5人で三重県から帰省した小学1年の上醉尾海正(かみえのおかいせい)君(6)は「名前がすごい」とはしゃいでいた。

 佐々木館長は「急に注目を浴び、隠れたいのに隠れられない。カニもちょっと困った顔をしていますね」と笑う。5月31日まで。(加藤美帆)