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 東京六大学野球の春季リーグ戦は6月1日から、最終週の早慶戦がある。国内の大学球界では初めてメジャー経験がある監督として今年から早大を指揮する小宮山悟監督(53)は「チーム力は確実に上がっている」と手ごたえを口にし、初采配の早慶戦を今季の集大成と位置づける。明大が5季ぶり40度目の優勝を決めているが、元プロの大久保秀昭監督(49)率いる慶大との2、3位争いも見ごたえがありそうだ。

 「厳しさの中にも愛情があって、選手を信頼してくれる」。打率4割3分2厘でリーグトップに立つ主将の加藤雅樹(4年、早稲田実)は、小宮山監督についてそう語る。打席に立つ前もあえて指示はせず、「お前に任せた」の意味で「お前に打席あげるぞ」と言われることが多い。「信頼されているんだな、と意気に感じて頑張れます」

 自分で考えてプレーすれば、失敗しても責められはしない。「失敗を恐れるより、トライし、なぜ失敗したかを考えて次に生かせばいいと。そういった点もやりやすいですね」

 力があると見込めば信頼して委ねるのは、下級生でも同じ。大阪桐蔭高の前主将、中川卓也(1年)を開幕戦から一塁手としてフル出場させ、2戦目に初安打を放ったあとはなかなか安打が出ずに苦しんでも交代させなかった。

 「ずっと出させてもらえるのはありがたい。監督のためにも頑張りたかった」という中川は徐々に感覚をつかみ、9戦目の法大戦で初の適時打を含む2安打を放って勝利に貢献。「相当なプレッシャーを感じて毎日を過ごしたと思う。でも、期待にきっと応えてくれるだろうと思った」と監督もうれしそうだった。

ささやく指揮官 選手との関係良好

 自主性を重んじつつも、判断が難しいときや選手が迷っていそうな時などはそっと歩み寄り、言葉をかける。「選手を呼び、肩に手を回して、ささやくような光景をよく見かけます」と加藤主将。5月13日、立大3回戦の延長十一回、狙い球に関する「ささやき」の助言を受けて打席に立った小藤翼(4年、日大三)が勝利を決定づける適時打。監督と選手の良好な関係を印象づける一コマだった。

 日米通算117勝(141敗)を挙げた名投手らしく、期待をかけるエースの早川隆久(3年、木更津総合)ら投手陣には「まだまだ鍛え方が足りない」などと辛口の評価も口をつくが、「でもよく踏ん張っている。早慶戦でチーム力をピークに、という開幕前の目標に向けて、いい形になってきた」。

 昨秋の早慶戦。早大は3回戦で九回2死から逆転して5―4で勝利し、慶大の3季連続優勝を寸前で阻止した。「慶応は去年の秋の仕返しをするんだと息巻いていると思う。それを受け止めてやっつけてやる。そういう思いでいます」

 勝ち点4をかけたチームの対戦とともに、加藤と、打率リーグ2位につける慶大・柳町達(たつる=4年、慶応)らとの首位打者争いの行方も注目を集めそうだ。(杉山圭子)

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