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 敵対するイランへの「包囲網」を強固にしたいサウジアラビアが、足踏みしている。サウジの呼びかけでアラブ連盟(21カ国・1機構)などの緊急首脳会議が開かれたが、一部の国はイランを非難する声明に同調しなかった。

 会議は5月30~31日、メッカで開かれた。5月中旬にサウジの石油タンカーがアラブ首長国連邦(UAE)の沖合で「妨害攻撃」されたことや、石油パイプライン施設がイランの支援を受けるイエメンの反政府武装組織フーシに攻撃されたことを受け、サウジのサルマン国王が開催を呼びかけた。

 サウジ国営通信などによると、サルマン国王はこれらの攻撃を引き合いに、「イランが我々の国の安全と安定を脅かし、干渉しているのは今に始まったことではない」と強く非難。会議の声明で「イランは他国への干渉をやめるべきだ」と盛り込んだ。

 会議には2017年6月にサウジやUAEなどが「イランへの接近」を理由に断交したカタールのアブドラ首相も招かれた。サウジにはイスラム教の聖地メッカでアラブ諸国の結束を演出する狙いがあった。

 だが、ロイター通信などによると、イランとも良好な関係にあるイラクが声明に同意しなかった。オマーンやクウェートは会議の前にイランのアラグチ外務次官の訪問を受けるなど緊張緩和に向けた取り組みを続けており、一枚岩とは言えない状態になっている。

 一方で、イラン外務省のムサビ報道官は31日、「アラブ首脳会議の声明を拒絶し、非難する」との声明を出した。(高野裕介)

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