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 2020年春卒業の学生を対象とする採用選考が1日解禁され、全国各地で大手企業の面接が始まった。ただ、学生有利の「売り手市場」が続くなか、すでに「内定」や「内々定」を得ている学生の割合が前年より増えているとの就職情報会社の調査結果もある。就職活動の日程を定めるルールの形骸化は進む一方だ。

 東京都新宿区の損害保険ジャパン日本興亜の本社では、大勢の大学生らが面接に臨んだ。この日だけで約800人が訪れる予定という。国立大4年の男子学生(22)は「部活動などの質問を受けた。自分のありのままを話すことができました」と笑顔を見せた。

 面接に訪れた私立大4年の男子学生(23)は、すでに金融業界の2社から内々定をもらっているという。「早く決まることで、卒業制作などほかの部分に力を入れられるので良いと思う」。コンサルタント業界から内々定を得ているという私立大4年の女子学生(21)は「6月1日という目標があった方がやりやすい」と話した。同社人事部採用グループリーダーの福元利一さん(47)は「予想以上の早期化で競争の激しさを実感している」と話す。

 就職情報会社リクルートキャリアの調査では、就職志望者のうち5月1日時点で「内定」または「内々定」を得た割合は51・4%で、前年より8・7ポイント上昇した。今年は改元に伴う10連休もあったため、選考結果を前倒しで伝える企業が増えたとみられるという。

 経団連は「会社説明会は3月、面接など採用選考は6月、内定は10月に解禁」とする現行ルールについて、20年春卒を最後に廃止することを決めている。その後は政府が21年春卒以降のルール作りを主導し、同じ日程を維持する方針だが、強制力はなく、実効性が疑問視されている。(吉田貴司)