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 フィリピンのドゥテルテ大統領は31日、東京都内で開かれたシンポジウムで講演し、南シナ海で領有権を争う中国について「私は中国が好きだ」と話し、親密な関係ぶりをアピールした。5月中旬にフィリピンであった中間選挙の前に、南シナ海問題をめぐって中国への態度を硬化させたが、「親中派」に戻った。

 ドゥテルテ氏は2016年の就任以来、中国との関係を重視して南シナ海問題での中国批判を抑制してきた。だが、フィリピンが実効支配している島周辺に多数の中国漁船が現れたことなどで国民の対中感情が悪化。今年4月、「島は我々のものだ。手を触れるな」と中国を牽制(けんせい)するようになった。

 この日の講演でも「海全体が自分たちのものだと主張するのは正しいことだろうか」と指摘したが、全体的なトーンは一転させた。4月に会談したばかりの習近平(シーチンピン)国家主席について「機会があればぜひ南シナ海問題も話してみたい」と秋波を送り、閣僚レベルでの対話の可能性にも言及。「国際法を使いながら緊張を緩和することができるかもしれない」などと話した。(遠藤雄司)