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 岐阜県多治見市の名産品「モザイクタイル」を使ったボードゲームができた。開発者のモザイクゲームズ店主、大沼博紀さんに思いを聞いた。

 ――どんなゲームですか。

 「オセロや囲碁と同じ、2人対戦のボードゲームです。縦横7マスのゲーム盤の上にコマを積み上げます。色の違うコマを70個ずつ持ち、先にコマを置き終えた方が勝ちです。基本的には交互に1個ずつコマを置きます。加えて、正方形に並んだ四コマのうち三つか四つが同じ色になれば、その上にコマを置けます。この『ボーナス』を連鎖的に起こすのがカギです」

 ――特徴は。

 「子どもも楽しめますが、やってみると奥が深い。後半になるほど展開が加速するのが面白い。コマは円盤状で直径27ミリ、多治見産のモザイクタイルです。ゲーム盤、箱も市内のメーカーに製作をお願いし、3月に発売しました。タイルの色合いがきれいなので部屋にも飾れます」

タイルとの出合いは「偶然」

 ――開発の経緯は。

 「1980年代に米国で発売された『アッパーハンド』というゲームをもとにしています。縦横5マスの盤に小さな球を積み上げるゲームで当時、友人が米国の雑誌で見つけました。仲間内でビー玉で自作しましたが、積み上げると崩れてしまう。私は円盤状のコマなら積みやすいと考えましたが、安価な素材が見つからず幻の企画になっていました」

 「一昨年、インターネットで偶然、多治見のモザイクタイルを見つけ、取り寄せてゲームを自作したら非常によかった。タイルの質感や手触り、色合いが魅力的で価格も安かったのです」

 ――多治見との縁は。

 「ありませんでした。初めて訪れた昨年6月、市主催のビジネスプランコンテストがあると知りました。応募し、今年2月に『創業グランプリ』を頂きました。まちおこしの責任の一端を負っていますし、タイルメーカーやショップの近くにいた方が便利なので多治見に事務所を構えました」

 ――タイル産業をどうみますか。

 「黄金期を知りませんが、建築資材として昔ほど使われなくなってきていますよね。安さでは海外製には勝てない。付加価値が必要で、ゲームはその一例になるかもしれません。地元の人からは『タイルを並べるだけでなく、盤上に重ねる発想はなかった』と言われました。新しいタイプのゲームが生まれたと思います」

「モザイク」ゲームを多治見発祥の文化に

 ――今後の目標は。

 「73年にオセロが日本で発売されて以来、この分野でオセロに続くゲームはありません。そのぽっかりと空いた空間を狙いたい。将来はモザイクというゲームを多治見発祥の文化にしたい。普及団体を立ち上げ、多治見で正式な大会を開くつもりです。将棋の藤井聡太七段、囲碁の仲邑菫(なかむらすみれ)初段のように強い子どもが、多治見から出てきてくれるといいなと思っています」(竹山栄太郎)

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 おおぬま・ひろき 神奈川県出身。大学卒業後、システムエンジニアとして会社勤めをしながらゲーム創作を始める。定年後、再雇用で働いていた東京のコンピューター関係の会社を今年1月にやめ、2月から単身で多治見市へ。ポーカー入門書の著作もある。62歳。

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 〈モザイクゲームズ〉大沼さんが開発したゲーム「モザイク」を販売するネットサイト(https://shop.mosaic.games/別ウインドウで開きます)。縦横7マスは税別5500円~。縦横5マスの「モザイク・ミニ」(3千円~)は多治見市笠原町のマルナカストアーなどで買える。