【動画】将棋の藤井七段が千日手指し直しの末に勝利=佐藤圭司撮影
[PR]

 将棋の高校生棋士、藤井聡太(そうた)七段(16)が31日、第32期竜王戦(読売新聞社主催)ランキング戦4組の決勝で、菅井竜也(たつや)七段(27)に勝ち、広瀬章人(あきひと)竜王(32)への挑戦権を争う決勝トーナメント進出を決めた。日本将棋連盟によると、プロデビューから3期連続で竜王戦のランキング戦で優勝したのは藤井七段が初めて。

 大阪市福島区の関西将棋会館での対局は、藤井七段の先手で午前10時に始まった。午後8時6分、同一局面を繰り返す千日手(引き分け)が成立。先手と後手を入れ替えた指し直し局は午後8時36分に始まり、翌6月1日午前0時5分に終局した。後手番になった藤井七段が94手で勝利。藤井七段は公式戦で菅井七段に2連敗していたが、3局目で初めて勝った。

 終局後、藤井七段は「指し直し局はかなり残り時間が少なかったが、決断良く指せたと思う。今年も竜王戦の本戦で指せることをうれしく思います」、菅井七段は「指し直し局は序盤でうまく指され、勝負どころがなかったような気がしています。完敗かなと感じています」と話した。

 日本将棋連盟によると、藤井七段の2019年度の公式戦の成績は7対局して6勝1敗(未放映のテレビ対局を除く)となった。

 藤井七段の次の対局は6月3日、第67期王座戦(日本経済新聞社主催)の挑戦者決定トーナメントの初戦で佐々木大地五段(24)と対戦する。この勝者は羽生(はぶ)善治九段(48)と対戦する。

 竜王戦は、将棋界に八つあるタイトル戦の一つ。全棋士と女流棋士4人、奨励会員1人、アマチュア5人で行われる。ランキング戦の1組から6組に分けてトーナメントを行い、各組の上位者の計11人(1組から5人、2組から2人、3~6組は各1人)で決勝トーナメントを行い、挑戦者を決める。例年10月から12月にかけて竜王と挑戦者が七番勝負を行う。

      ◇

【将棋の第32期竜王戦のランキング戦4組の決勝「藤井聡太七段vs菅井竜也七段戦」終局直後の一問一答】

〈まず、勝った藤井七段に〉

――千日手指し直しの末に勝利を挙げた。本局を振り返って

藤井「指し直し局は、かなり、残り時間が少なかったんですけど、決断良く指すことが出来たかなあ、という気がします」

――どのあたりから、有利になったというふうに、意識されましたか?

藤井「▲5二歩に△5六歩と突いて、攻め合い勝ちを目指せそうな形にはなったかと思ったんですけど、その後、読みに無い手を指された場面もあって、最後まで分からないかな、というふうには思っていました」

――勝ちを意識したのは最終盤になってから?

藤井「はい。玉頭(ぎょくとう)周辺で戦いが起こっていたので、△2五桂と打って、こちらが厚くなったかなあ、という気がしました」

――これで3期連続ランキング戦(優勝)。デビューから3期連続ということでは史上初めてなんですけど。ランキング戦優勝と、本戦出場を決めました。このことについて感想を。

藤井「今年も竜王戦の本戦で戦えることをうれしく思いますし。上を目指していければな、というふうに思います」

――具体的な目標は、持っていらっしゃいますか?

藤井「本戦は強敵ばかりなので、目の前の一局一局に集中していけたらな、というふうに思っています」

〈続いて、敗れた菅井七段に〉

――日付がかわるまでの大激戦の末に、残念ながら敗れました。本局について振り返ると?

菅井「指し直し局は(藤井七段に)序盤でうまく指されて。ちょっと、勝負どころが無かったような気がしています」

――何か、誤算もあった?

菅井「そうですね。誤算というよりは、序盤で、こまかく、藤井さんにうまく指されてしまったかな、というふうに感じています」

――竜王戦の本戦には(この敗戦で)進めなくなったが、来期、昇級されて、ランキング戦3組での戦いになる。抱負は?

菅井「結果を残したいな、とは思っているんですけど、なかなか竜王戦では勝てていないので、結果を残せるように頑張りたいと思います」

〈両対局者に対して〉

――今回のカードは、公式戦3度目の闘い。藤井七段にとっては初勝利で、菅井七段にとっては初めて黒星がついた。これまでの2人の対局と比べて、(例えば)違う印象があった、といった感想がありますか?

藤井「菅井七段との過去の2局では、力の差を感じる場面もあって。今日の対局も、千日手局で非常に力強く指されて。途中、自信の無い場面もあったような気がします。△3三金からの構想が自分はまったく見えていなかったので、その後の指し回しも、菅井七段の力強さというものを感じました」

菅井「3局目ということですけど、そんなに意識というのはなくて、いつもどおり指そうとは思ってましたけど。今日の将棋は、うまく指されて、完敗かなというふうに感じています」(佐藤圭司)