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 中学時代に最速150キロの豪速球を武器に全国制覇を成し遂げた高知(高知)の1年生右腕、森木大智君が5月3日、高校野球の公式戦でデビューした。春季四国地区高校野球大会1回戦で途中登板し、145キロを見せて場内を沸かせた。

 森木君は、高松商(香川)に4点リードされた八回に登場した。デビューのマウンドとなった松山市の坊っちゃんスタジアムは高知中学時代の昨年8月、四国中学総合体育大会決勝で150キロを記録した球場だ。

 三振に仕留めた先頭打者では、142キロを計測した。その後、球場の電光掲示板に145キロの数字が表示されると、観客からどよめきと歓声が上がった。

 2回を投げ、被安打3、失点1、奪三振1。試合は負けた。森木君は「浮いた球はすぐに打たれた。独特の雰囲気だった」と反省気味だったが、対戦した高松商の長尾健司監督は「1年生のこの時期に140キロ中盤は速い。日本の野球界を背負って立つかもしれない選手だと感じた」。

 森木君は高知県土佐市出身。小学3年で野球を始めた。

 豪速球を生んだのは、中1の冬に診断された腰椎(ようつい)分離症がきっかけだ。3カ月間、体幹を徹底的に鍛え10キロ増量した。現在の身長184センチ、体重82キロの強靱(きょうじん)な体格の土台となった。

 復帰後は投球フォームも見直した。球が手から離れる直前まで右足に体重を残し、体が前に突っ込むことを防いだ。140キロ台が安定して投げられるようになった。中3の昨年は、全日本少年春季軟式野球大会と夏の全国中学軟式野球大会で優勝し、全国の野球関係者の間で注目度が急上昇している。

 自己管理も徹底する。野球を始めて以来、カップラーメンは食べていない。最適な睡眠時間を自ら研究し、偶数時間だと体調が悪いと気づいた。7時間睡眠を心がけて調子を整えている。中3の1年間で友人と遊びに出かけたのは卒業式後の1日だけだ。空き時間は自主練習や野球関連の読書に費やす。

 「生活のすべてを野球に捧げています」と言い切る。右打ちで打撃も得意だ。森木投手の夢は、二刀流の大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手。この日は2打席で1三振、内野ゴロと結果は残せなかったが、高知の浜口佳久監督は「闘争心やポテンシャルは示した。外野や内野で経験を積み、打者としても勝負させたい」と今後を見据える。

 高校での目標は球速165キロ、本塁打50本。「中学でも春夏連覇と150キロが目標と言っていた。目標は大きく設定して危機感を持つタイプ」と自己分析する。

 4月に紅白戦で163キロを記録して話題となった大船渡(岩手)の右腕佐々木朗希君(3年)も意識しているといい、「自分にもできるはず」と自信を見せる。(加藤秀彬)