写真・図版

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 三階の廊下に大きな絵画が飾られていた。燃える太陽に照らされる黄色い砂漠の絵だ。マリアが一人、絵を見上げて、

「 تەكلىماكان (タクラマカン)! 懐かしき我が西方の砂漠よ……」

 とつぶやく。

 そこを、芳子がふと通りかかって、

「おや。キミはウイグル(中央アジア遊牧民)語を話すのかい。おいら、てっきりロシア人かと思っていたよ」

「ええ、話せます。تەكلىماكان の語源は“一度入れば二度と出られない”という説があるんです。それほど過酷な大地だと」

「そうか……。ふむ、さてはこの辺りがマリアの故郷かい? それが上海なんて、ずいぶん遠い土地まできたもんだね。まっ、誰にでも故郷はあらぁ……」

 と芳子が言いかけたとき、角を…

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